お子さんの日々の学習や生活の様子を見て、こんな悩みを抱えている保護者様も多いのではないでしょうか。
「なかなか学習内容を覚えられず、勉強に身が入らない」
「ストレスをかけずに記憶力を鍛える方法はあるのかな」
記憶力は、学習や問題解決などあらゆる活動に深く関わる重要な要素です。将来的に学ぶ意欲や集中力、思考力を育むうえでも欠かせません。
本記事では、記憶の基本的な種類やその概要を解説しつつ、記憶力を向上させるために必要な能力や日々のトレーニング方法を詳しく紹介します。さらに、記憶力を効果的に鍛えられる習い事についても触れていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
まずは、短期記憶とワーキングメモリの違いを理解する前に、記憶の2種類(短期記憶と長期記憶)について確認しましょう。
さらに、短期記憶と密接な関わりがあるのが「ワーキングメモリ」です。ワーキングメモリは、短期記憶で保持している情報を同時に“処理”する力のことを指します。たとえば、計算問題を解くとき、問題の数字を一時的に記憶に留めながら計算手順を考えるのはワーキングメモリの働きです。
このように、短期記憶とワーキングメモリは密接に関連しており、学習や日常生活のあらゆる場面で大切な役割を果たします。
短期記憶を鍛えるには、情報を規則的に復習することや、暗記・暗算といった訓練を日常的に取り入れることがポイントです。たとえば、以下のようなアプローチがあります。
視覚的な要素(書く・見る)や、音声的な要素(音読・口頭復唱)を組み合わせると、より効率的に短期記憶を活性化できます。
一方、長期記憶を鍛えるには、情報の意味を深く理解し、自分の経験や知識と結びつけることが重要です。具体的には、以下の例が挙げられます。
こうした「関連づけて覚える」作業を繰り返すことで、情報が長期間にわたり脳に定着しやすくなります。また、継続的に同じ情報を繰り返し学習することで、長期記憶に移行しやすくなる点も押さえておきましょう。
記憶力を鍛えるためには、短期記憶の容量を増やす取り組みが必要です。保護者様はお子さんの興味を尊重し、能動的な取り組みをサポートする姿勢が求められます。ここでは、短期記憶を鍛えるための方法を7つご紹介します。
それぞれについてわかりやすく解説します。
子どもが楽しく学ぶためには、いかに「好きなこと」や「興味のあること」に情報を置き換えて記憶させるかがカギとなります。たとえば次のような工夫を取り入れてみましょう。
こうして興味やイメージを組み合わせると、単なる暗記作業もワクワクしながら取り組めます。
ワーキングメモリを高めるには、脳にポジティブな刺激を与えることが効果的です。たとえば:
脳がポジティブな状態になると、集中力やモチベーションが上がり、短期記憶の効率も自然に高まります。
イメージングとは、頭のなかで映像や情景を思い浮かべること。たとえば、本を読みながら主人公の動きや風景を頭に描いたり、好きな音楽を聞きながら歌詞の情景を想像したりするのも立派なトレーニングになります。
こうした工夫は、ワーキングメモリを強化しつつ、想像力を豊かにして記憶力をサポートします。
記憶力向上には、脳の健康が欠かせません。脳の健康を維持するには以下を意識しましょう。
体が整えば脳のパフォーマンスも上がり、学習効果や記憶力にも好影響をもたらすでしょう。
ストレスを抱えすぎると、ワーキングメモリや短期記憶の働きが低下する恐れがあります。子どもがプレッシャーを感じないように、以下の点を工夫してみてください。
ストレスを軽減することで、集中力やモチベーションが高まり、記憶力の向上も期待できます。
デュアルタスクとは、2つの作業を同時におこなうことで脳を活性化させる方法です。たとえば:
ゲーム感覚で取り入れられると、子どもも楽しんで脳を鍛えられるでしょう。ただし、過度な負担にならないよう、子どもの様子を見ながら難易度を調整することが大切です。
暗記や暗算は、繰り返し練習することで徐々に脳が慣れ、短期記憶の定着を促します。
「これが得意になると将来役立つよ」と価値づけてあげることで、子どものモチベーションを上げる効果も期待できるでしょう。
記憶力を鍛えるためには、さまざまな能力が必要です。タスクをやり遂げるために必要な集中力や、イメージを膨らませて脳を働かせる想像力なども含まれます。ここでは、記憶力の向上に役立つ能力として5つ紹介します。
集中力が高まると、短期記憶の保持力や処理スピードが上がります。逆に短期記憶が安定すると、余計な情報に惑わされにくくなるため、集中しやすい環境を作り出せるでしょう。
たとえば「25分勉強して5分休憩」など、区切りをつけた学習スケジュールは、子どもにも見通しが立ちやすく効果的です。
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情報を映像やストーリーに変換する能力が「想像力」です。記憶に残りやすいイメージをつくりあげることで、後から思い出すときの手がかりも増えます。
絵を描く・ストーリーを作る・音楽でイメージを膨らませるなど、日常的に想像力を鍛える活動を取り入れてみましょう。
情報を整理して関連づけ、筋道を立てて考える「論理的思考力」は、覚えたことを体系化する際に役立ちます。
論理的に情報を整理することで、自分がどこまで理解しているかを把握しやすく、必要な情報をすぐに思い出せる状態をつくれるでしょう。
興味や好奇心が湧くと、人は自然と集中し、情報を深く理解しやすくなります。これにより、短期記憶が長期記憶へ移行しやすくなるのです。
お子さんが「楽しい!」と感じる学習や遊びを積極的に取り入れ、やる気や前向きな気持ちをサポートしてあげましょう。
強いストレスを抱える状態が続くと、脳の処理能力が低下し、記憶力にも悪影響を及ぼします。適度な休息やリラックスできる時間を確保し、親子で話し合う習慣を持つなど、ストレスコントロールを意識して生活を整えることが大切です。
子どもが楽しみながら継続的に取り組める環境として、習い事を活用するのも一つの方法です。保護者様が忙しい場合でも、専門的に指導してもらえるため効率的に記憶力や学習習慣を育むことができます。
英語をはじめとした外国語学習は、普段使わない単語やフレーズを覚える必要があるため、脳に新鮮な刺激を与えます。また、異文化や海外の生活様式に触れる過程で、さまざまな価値観を学ぶことも可能です。
言語を切り替えながら考えることで、論理的思考力や想像力、ワーキングメモリの向上にもつながります。
楽器演奏は、脳の複数の領域を同時に刺激するといわれています。楽譜を読み取りながら指を動かし、リズムに合わせて演奏するプロセスには、次のような効果が期待できます。
また、演奏をマスターする達成感は、ストレスを軽減しモチベーションの向上にも役立つでしょう。
そろばんは、暗算力だけでなく記憶力や集中力も養える伝統的な学習手法です。数珠の位置や計算結果を瞬時にイメージするため、右脳と左脳をバランスよく活性化するといわれています。
暗算力がアップすれば日常生活でも計算に強くなるメリットがあり、子どもにとって自信につながる要素が多い習い事です。
外国語や音楽、そろばん以外にも、近年注目を集めているのがプログラミング学習です。
プログラミングはコードや関数、変数名などを覚えながら同時に論理的思考を組み立てるため、以下のように脳の多方面を鍛える効果があります。
さらに、プログラムが正常に動いたときの「成功体験」が自信につながり、勉強面でも積極性や好奇心が高まる子も少なくありません。これらの要素が相互に作用し合うことで、記憶力を総合的に底上げする効果が期待できます。
短期記憶を鍛える方法はさまざまです。規則的な復習や暗記、暗算の訓練も重要なポイントですが、実際の作業との関連性を考慮してワーキングメモリを鍛えなければなりません。
記憶と作業を密接に絡めるためには、お子さんにとって「楽しい」「興味がある」といった視点をトレーニングに盛り込む必要があります。その理由は、楽しさや興味が脳の働きを活性化させるためです。
今回紹介した内容をもとに、適切に記憶をトレーニングし、論理的思考力や想像力、ストレスコントロールとの関連性も意識していきましょう。
「プロクラ」では、子どもたちの記憶力を鍛えるために楽しく学べる環境づくりを大切にしています。記憶力向上に役立つとされるプログラミングを通じて、総合的な記憶力の強化を図れる学びの場です。ご興味ある保護者様は体験の場を活用して、お子さんが楽しく学べるプロセスを確かめてみてください。
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