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思考力とは?子どもの思考力を高めるコツを解説

子どもの思考力を高めたい!家庭教育でできることは?

私たちは、日々の生活のなかでさまざまな物事を思考しています。対象を五感で感じ、情報を分析・解釈し、自分の価値観に落とし込むためには、思考力が求められます。あらゆるライフスタイルにおいて、生活の質を上げるためには思考力が欠かせません。

思考力とは、言語力や想像力など複数の能力が複合的に合わさり、高められていく能力です。体が成長過程にある子ども時代から思考力を磨くことで、子どもたちの人生はより豊かで、質の高いものになっていくでしょう。

今回は、思考力の意味や種類、子どもたちの思考力を高める方法をご紹介します。思考力とは、あらゆる学習や自己成長の基盤となる能力です。子どもたちの思考力を磨き、将来の可能性を広げていきましょう。

思考力とは|意味を解説

思考力とは、自分の経験や知識をもとに考える力を指します。自分が抱いた考えや感情を思考のプロセスに落とし込み、頭の中で分析・統一して概念を形作る能力です。思考力の高さは、自己分析力や理解力、想像力など、幅広いスキルに影響を与えます。

思考力が高い人は、受け取った情報を分解した後に再構築する力に優れています。そのため、細分化した情報を、自分の価値観や思考パターンに落とし込んだ後に、適切な形でアウトプットできるでしょう。思考力は訓練で磨かれるため、子どもたちの思考力を高めるためには家庭教育やライフスタイル・コミュニケーションの変化が求められます。

思考力の3つの種類

思考力は、おもに以下の3つの種類に分けられます。

  • 論理的思考力
  • 多面的思考力
  • 批判的思考力

それぞれに特徴があり、訓練によって引き出される思考パターンも異なるものです。ここでは、3つの思考パターンの特徴や傾向をご紹介します。

論理的思考力

論理的思考力とは、情報や知識同士を組み合わせ、物事を体系的に考える力です。問題の本質や論点を発見・整理するために求められるのも思考力といえます。論理的思考力が高い人は、網羅的な思考を用いることで物事の全体像を把握できます。

論理的思考力とは名前の通り、論理的に筋を通して思考する力です。思考から矛盾や飛躍をなくし、筋道を立てて考えるために用いられます。ロジカルシンキングとも呼ばれ、議論や建設的な対話に必要です。

多面的思考力

多面的思考力とは、物事を多面的に捉えて考える思考力です。主観的な立場から考えるのではなく、自分とは異なる視野や視点に切り替えて考えるために用いられます。多面的思考力が高い人は思考の多様性に富んでおり、幅広い価値観に寛容的です。

多面的思考力ではさまざまな角度から物事を分析・判断するため、一つの事象から幅広い発見や気づきを得られます。多面的思考力の育成では、物事の見えていない部分にも視野を及ばせるための想像力・洞察力なども鍛えられるでしょう。

批判的思考力

批判的思考力とは、物事を批判的な視点で見て考える力です。私たちが日常的に見聞きしている情報は、すべてが正しいとは限りません。他者のバイアスがかかった状態で提供されている情報や、自らの先入観が原因で事実とは歪んで見えている情報もあるものです。

情報の真偽を判断したり、断片的な情報から事実を決め付けたりしないためにも、批判的思考力が役立ちます。批判的思考力とは、必要な情報を切り出して幅広い観点から考える力でもあるのです。冷静な視野から情報を適切に判断したり、情報の正しさや価値を捉えたりするために用いられます。

子どもたちに思考力が求められる理由

ここでは、子どもたちに思考力が求められる理由をご紹介します。思考力とは、学習効果の向上・人間関係の構築・自己表現・犯罪被害の防止など、子どもたちが社会で生きるうえで欠かせない能力です。思考力の必要性を具体的に学び、教育につなげていきましょう。

他者と円滑なコミュニケーションをとるため

他者と円滑なコミュニケーションをとるために、思考力は必要です。思考力は、相手が話している内容を理解したり、相手にとってわかりやすい言葉で伝えたりするなど、他者とスムーズに対話する際に用いられます。

思考力が足りていないと、話の内容が飛躍したり、相手が傷つく言葉を選んだりすることも。「今、何を話しているのか」や「自分が何を伝えようとしているのか」を見失わないためにも、思考力が求められます。

AIに奪われない仕事をするため

子どもたちの思考力は、AIに奪われない仕事をするためにも重要な役割を持ちます。昨今のデジタル技術の躍進により、すでに一部の仕事はAIに奪われつつあるのです。とくにマニュアル化された仕事や単純作業などはAIの得意分野であるため、今後ますます失われていくと考えられます。

しかし、物事を多面的に見て新しい情報を発見する力や、心理的な側面から背景や文脈を考える力、一つの情報から複数のイメージを広げる力などは、人間ならではの思考力です。AIがまねできない思考力を磨くことで、安定した仕事に就きやすくなるでしょう。

他人に流されず、自分の考えや価値観を持つため

他人に流されずに自分の考えや価値観を持つためにも、思考力が求められます。思考力に乏しい人は、周囲の意見や客観的な評価ばかりを重視し、自分らしい思考パターンを持ちにくくなります。

自分で考えられないと騙されやすくなったり、気づかぬうちに損を押し付けられてしまったり。他者の思考に依存したままでは、自分らしい人生を歩めているとはいえません。納得感がある日々を過ごすためには、思考力に基づいた判断基準や自分ならではの価値観が求められるのです。

子どもたちの思考力を高める方法

ここでは、子どもたちの思考力を高める方法をご紹介します。思考力は訓練で後天的に伸ばせる力です。家族でゲームを楽しむように思考力を伸ばし、お子さんの思考力を引き出していきましょう。

質問にはすぐに答えず、ヒントを与える

お子さんの思考力を高めるためには、質問にはすぐに答えない習慣を取り入れます。答えよりもヒントを多く返し、お子さん自身に思考してもらう機会を増やしましょう。

普段のコミュニケーションでも「はい」か「いいえ」で答えられる質問(クローズドクエスション)は避け、自由に回答を考えられる質問(オープンクエスチョン)を心がけてください。

思考力が必要なボードゲーム

お子さんの思考力を育成するうえで、考える力が勝敗を分けるボードゲームもおすすめです。思考力が重要なボードゲームでは、オセロ・将棋・チェス・麻雀・ダイヤモンドゲームなどが代表的です。

お子さんが負けてしまったら、どうすればもっと強くなれるのかを教えてあげましょう。とくに競争心や闘争心が強いお子さんの場合「負けたくない」気持ちが学習のモチベーションになります。

水平思考ゲーム

論理的に物事を考えるための思考力は、水平思考ゲームでも養われます。水平思考ゲームとは、出題者に質問を繰り返すことで答えを推理する遊びです。問題を出す人と質問する人に分かれ、質問は「はい」か「いいえ」のみで答えられる内容に限られます。

有名な出題例が、以下の「ウミガメのスープ」です。

ある男が、レストランでウミガメのスープを注文した。スープを一口飲んだ男は、シェフに「これは本物のウミガメのスープか?」と確認した。男は勘定を済ませた後、死んでしまった。男が死んだ理由は?

質問者は上記の不可解な状況に対して「男は過去にもウミガメのスープを飲んだことがある?」や「男はスープを飲んで悲しい気持ちになった?」などの質問を繰り返し、隠された真相を探っていきます。

記事やニュースについて意見を交換する

お子さんの思考力を育成するためには、家族で記事やニュースを見て意見を交換してみましょう。ただし、お子さんの意見がどのような内容でも否定せず、最後までしっかりと聞き届ける姿勢を持ってください。

お子さんの意見を聞いた後に、保護者様が大人ならではの目線で異なる意見を伝えます。「どちらの考えや価値観も間違っているわけではない」と伝えたうえで、世の中には人の数だけ多様な考え方があることを認識してもらいましょう。

物事の背景・理由について考える習慣を持つ

物事の背景や理由について考える習慣を持つことも、思考力育成のために重要です。背景を考える練習では、環境問題や社会問題が好例といえます。

たとえば「地球のために環境に優しくしよう」は、世界共通のテーマですよね。しかし実際には地球は日々汚れており、ゴミの排出もとまりません。

「人類が共通のテーマを持っているのになぜ簡単に実現できないのか?」を深く掘り下げていくことで、性善説だけでは語れない複雑な理由がわかります。物事を多面的に観測する習慣を取り入れることで、深い思考力や広い視野が身につくでしょう。

単語力や読解力を鍛える

思考力を磨くためには、単語力や読解力を鍛える習慣が近道です。人間の思考パターンは大きく2種類存在しています。1つは、曖昧なイメージや概念で考えるパターン。もう1つは、文章や単語を組み合わせて対話するように考えるパターンです。

同じ人間の思考でも、シチュエーションに応じてパターンが切り替わります。豊富な語彙力は思考の形成を手助けし、スムーズな理解につなげてくれるでしょう。

子どもたちの思考をストップさせてしまうNG行動

ここでは、子どもたちの思考をストップさせてしまうNG行動をご紹介します。小学生のお子さんにとって、保護者様の意見や価値観は大きな影響を持ちます。迂闊な言葉選びでお子さんの思考力を抑制してしまわぬように、慎重なコミュニケーションを心がけましょう。

お子さんの意見や成果物を否定的に評価する

お子さんの意見や成果物を否定的に評価すると、思考力が抑制されてしまいます。小学生のお子さんが行動・努力する動機には「親に褒められたい・認められたい」気持ちが強く影響しています。

保護者様に意見や成果物を否定されると「この考え方や頑張り方じゃ褒めてもらえないんだ」と感じ、保護者様が喜びそうな行動ばかりを選ぶようになってしまうのです。自分の思考を持つことに臆病になり、保護者様の反応や嗜好に依存した考え方になってしまいます。

大きな声や強い言葉を使う

普段のコミュニケーションのなかで、大きな声や強い言葉を使う習慣を控えましょう。お子さんは、保護者様からの叱咤や喜怒哀楽の変化に対して敏感に反応するものです。自分らしい価値観でのびのびと考えてもらうためにも、安心して思考力を育める環境を提供しましょう。

世話を焼きすぎる・口を出しすぎる

お子さんに対して世話を焼きすぎたり口を出しすぎたりすると、自分で考える力が失われてしまいます。「考えなくても親が決めてくれる・やってくれる」環境では、自分で考える必要性がなくなってしまうのです。お子さんの健全な育成のために基本的なサポートはしつつも、考える選択肢を奪わないように心がけましょう。

思考力を高めるためにプログラミング学習が推奨される理由

お子さんの思考力を高めるために、今注目されている習い事が「プログラミング」です。2020年から小学校でプログラミング学習が必修化されましたが、実際のプログラミング技術を通して思考力を磨くためには、家庭学習や習い事の導入がほぼ必須になります。

プログラミングでは自ら目標を設定し、ゴールから逆算してプロセスを考えます。作業の過程で直面する課題やトラブルに対して、解決方法を自分で考える必要があるのです。プログラミングでは、論理的思考力を中心とした幅広い思考力が磨かれます。

またプログラミング学習で得られる専門的な技術は、デジタル社会におけるキャリアアップにも役立ちます。昨今では小学生向けのプログラミングスクールも数多く展開されており、学習アプリやWeb教材・書籍なども充実しはじめました。

お子さんの思考力を高めるために、ぜひプログラミング学習を検討してみてはいかがでしょうか。

子どもの思考力を高める習い事なら「プロクラ」

今回は、思考力の意味や種類、お子さんの思考力を高める方法をご紹介しました。思考力を高めるためには、学習のプロセスやコミュニケーションの方法に変化を取り入れる必要があります。なかでも、記事内で触れたプログラミング学習はおすすめの方法の一つです。

とはいえプログラミングに興味がないお子さんにとっては、難解な学習書や教材はハードルが高いものです。可能であれば、ゲームで遊ぶような感覚で楽しくプログラミングを学べたらうれしいですよね。

プロクラは、子どもたちが大好きなマインクラフトの世界でプログラミングを学べるスクールです。「お子さんの思考力を磨きたい」「将来役立つスキルを楽しく身につけさせたい」と思っている保護者様は、ぜひこの機会に無料体験教室や資料請求から始めてみましょう。

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