


今、子どもたち向けの習い事として大きな注目を浴びているプログラミング。プログラミング学習では、目的に応じた言語選びが大切です。
特に低年齢の子どもたちの学習には、直感的な操作が特徴的な「ビジュアルプログラミング言語」が推奨されます。
今回は、子どもたち・初心者向けの言語であるビジュアルプログラミング言語についてご紹介します。学び始めにおすすめの言語や、子どもたち向けのスクールを選ぶポイントなども解説するので、ぜひお役立てください。

まずは、ビジュアルプログラミング言語の意味についてご紹介します。
そもそもプログラミングとは、「コンピューターが動作するために必要な命令」です。プログラミングされていないコンピューターは、ただの鉄の塊。適切なコード(命令文)を入力することで、初めて正しく動作します。
一般的なコードは、アルファベット・数字・記号のテキストによって構成されます。しかし小さな子どもたちがプログラミングを学ぶ場合、テキストだけでは内容を理解しにくく、難しい印象を抱いてしまいがちです。
そこで活躍するのが、ビジュアルプログラミング言語です。ビジュアルプログラミング言語とは、テキストではなく「アイコンやブロックなどの視覚的な要素」を組み合わせてプログラミングする言語を指します。
キーボードで文字を打つ代わりに、マウスを中心とした操作でプログラミングできるため、直感的かつ簡単にプログラムを組めるのが魅力です。
ポップなデザインやカラフルな色合いが特徴的なビジュアルプログラミング言語は、お子さんのプログラミング学習の第一歩としておすすめです。

ビジュアルプログラミング言語とは異なり、「テキストのみで構成されたコード」をテキストプログラミングと呼びます。いわゆる「プログラミング言語」といえば、一般的にはテキストプログラミングのことです。
以下に、世界中で使われている代表的なテキストプログラミングの例を記載します。
上記以外にも、派生言語を含めると1,000種類もの言語が存在しています。とはいえ、主だったビジネスシーンで使われる言語は20種類程度です。
テキストプログラミング言語は、種類によってコードのルールが異なり、活用できるプラットフォームや作成できるものも違います。プログラミング学習では、目的から逆算した言語選びが重要です。

ここでは、代表的なビジュアルプログラミング言語を5つご紹介します。
言語ごとにプラットフォームは異なりますが、低年齢向けの「プログラミング言語入門」であることは共通しています。それぞれの特徴を学び、お子さんの性格や年齢にピッタリの援護を見つけてみてください。
Scratchは、世界的に有名なビジュアルプログラミング言語の一つです。画面上のカラフルなブロックを組み合わせる形式でプログラミングコードを作成し、オリジナルのアニメーションやゲームを作成できます。
直感的な操作が特徴的で、パソコンを使い慣れていない場合でも楽しめる仕様となっています。完成した作品はプラットフォーム上でシェアできるため、ほかユーザーの作品から新たなアイデアを得られることも。ポップな世界観は親しみやすく、初めてのプログラミングでも抵抗なくチャレンジできます。
Viscuitは、簡単な操作でオリジナルゲームや絵本を作成できるビジュアルプログラミング言語です。Viscuitの強みは、テキストを一切使用しないこと。パソコン上でお絵描きをするような感覚で、未就学児でもプログラミングにチャレンジできます。
たとえば、Viscuitではプログラミングによって、自分で描いたイラストを動かせます。魚のイラストが海を泳いだり、虫のイラストが空を飛んだりなどの動作に、お子さんは興奮してくれるはずです。「プログラミングに興味を持つための第一歩」としておすすめの言語といえるでしょう。
MakeCodeは、Minecraft社が提供するビジュアルプログラミング言語(兼プログラミング環境)です。あらかじめ準備された「命令ブロック」を組み合わせることで、簡単にプログラミングを作成できます。
MakeCodeに慣れてきたら、より本格的な言語であるJavaScriptにも変更可能です。自身のスキルアップに応じて、小学校低学年から高校生まで幅広い年齢の学習に活用できます。
Blocklyは、Google社が開発した「プログラミングの勉強に適した学習ツール」です。極力キー入力をせずに、マウスのクリックとドラッグのみで操作できるシンプルなUIが魅力です。
「プログラミングは難しい」と思われる理由の一つが、キーボードによるキー操作。キー入力が少ないBlocklyであれば、タイピングがほぼできなくてもプログラミングの仕組みを覚えられます。迷路やゲームなど、娯楽性の高い教材で学べる点もうれしいポイントです。
MOONBlockは、ゲーム開発に特化したビジュアルプログラミング言語です。Scrachのように、命令が決められたブロックを組み合わせることでコードを作成します。入力した内容が同じ画面上にリアルタイムで反映されるため、脳内のイメージを再現しやすい点が魅力です。
「敵の出現数を増やす」「味方の体力を上げる」など、ゲーム作りに適したブロックが用意されているのが特徴的。将来的に長編ゲームの開発やアプリ開発などを視野に入れる際は、ぜひお子さんに体験してもらいたい言語です。

ここでは、ビジュアルプログラミングを学ぶメリットをご紹介します。ビジュアルプログラミングは、本格的なプログラミング学習の入口になります。
将来を見越した長期的な学びのためにも、ビジュアルプログラミングならではの魅力に触れていきましょう。
ビジュアルプログラミングを学ぶメリットとして、視覚的にプログラミングを構築できることが挙げられます。たとえばScrachでは、画面上でカラフルな積み木を組み立てるような形式でプログラミングコードを組み立てていきます。
本格的なプログラミングのように「テキストがズラリと並んでいるだけ」の状態よりも、はるかにプログラミングの仕組みを理解しやすい環境です。
脳内の知識を組み合わせるだけではなく、視覚情報を通じて直感的にプログラミングを構築できるのは、ビジュアルプログラミングならではの魅力といえるでしょう。
プログラミング学習では、必ずエラーやトラブルが発生します。本格的なプログラミング学習では、エラーの原因や対処法がわからずに挫折してしまいがちに。
独学であればなおのことです。しかし多くのビジュアルプログラミングでは、「どこで間違えたのか」がわかりやすい仕組みになっています。
バグの発見が視覚的で簡単だという点も、ビジュアルプログラミングを学ぶメリットの一つです。また、ビジュアルプログラミング自体が比較的低年齢向けであるため、エラーの説明も丁寧でストレスがたまりにくく、問題を簡単に解決できます。
ビジュアルプログラミングを学ぶことで、プログラミング初心者でも論理的思考力が身につきます。論理的思考力とは、情報や知識同士を組み合わせ、物事を体系的に考える力のこと。
ビジュアルプログラミングにおけるコードは、まさに論理的思考力における「情報」の役割を持ちます。
コードは、いわば「コンピューターへの命令文のパーツ」です。日本語や英語のように単語一つでは意味がなく、コード同士を組み合わせることで、初めて正しく命令できます。
ビジュアルプログラミングでは、コード同士の組み合わせや順番を日常的に考えるため、学習を進めるだけで自然と論理的思考力が磨かれます。
ビジュアルプログラミングは、あくまで初心者の学習に効果的な言語でしかありません。より本格的なプログラミングを学ぶためには、英数字や記号を打ち込むテキストプログラミングへの移行が必要です。
そのうえでビジュアルプログラミング学習は、テキストプログラミング学習の土台となります。
ビジュアルプログラミング学習では、コードの組み合わせの重要性や、エラー対応の基本を学びます。これらの基礎知識はテキストプログラミングでも同様に役立つため、ゼロから学ぶよりも効率的かつ円滑な学習につながるでしょう。

ここでは、ビジュアルプログラミングを学ぶ際に知っておきたいデメリットについてご紹介します。
ビジュアルプログラミングはプログラミング学習の入門には適していますが、作れる作品や表現方法には限界があります。ビジュアルプログラミングの注意点を把握したうえで、計画的な学習につなげましょう。
ビジュアルプログラミングは直感的な学びやすさはあるものの、複雑で大規模な開発には向きません。なぜならビジュアルプログラミングは、名前の通り「作品全体の概要をビジュアルで管理しやすい」という特徴があるためです。
一つひとつのコードがわかりやすく表示されるからこそ、作品の規模が大きくなるほど管理画面も大きくなり、全体像を掴みにくくなります。
大量の細かな処理を作成する際も、わかりやすさより操作のしにくさが目立ってしまいます。大規模システムや長期的な運用を前提とした開発では、文字のみのテキストプログラミングのほうが効率的です。
ビジュアルプログラミングでは、画面上のブロックをドラッグで組み合わせます。処理が視覚的にわかりやすい一方で、繰り返す作業が多いシーンで時間がかかるという点はデメリットだといえるでしょう。
ほんの少しの値を変更したいだけでも、いちいちブロックを動かす必要があるため、タイムパフォーマンスが下がりやすくなります。
ビジュアルプログラミングの理解しやすさは、目的によっては「操作プロセスの面倒臭さ」につながってしまいます。。プログラミング学習における長期的なビジョンが見えた頃から、少しずつテキストプログラミングに移行するべきといえるでしょう。
ビジュアルプログラミングのデメリットとしては、実際のコードを書く練習にはならないことも挙げられます。ビジュアルプログラミングは、感覚的にプログラミングの仕組みを理解することに特化した言語です。
しかしコードの実用性は乏しく、基本的に専用のプラットフォーム内でしか操作できません。
テンプレートに頼らない創作や、独自性の高い創作のためには、テキストプログラミング(JavaScriptやPythonなど)のコードの活用が求められます。上級者の学習や職業としてのプログラミングを見据える場合は、テキストプログラミングへのステップアップが必要です。

ここでは、お子さんがビジュアルプログラミングを学ぶ際の注意点についてご紹介します。ビジュアルプログラミングは子どもたちにとって魅力的なデジタルコンテンツだからこそ、遊びの気持ちを忘れないまま取り組むことが大切です。
ビジュアルプログラミングの魅力を理解したうえで、お子さんの興味や関心を深められる環境をつくりましょう。
ビジュアルプログラミングでは、アニメーションやミニゲームなど、子どもたちにとって魅力的なコンテンツを作成できます。
創造性を自由に発揮できる仕組みだからこそ、ご家庭のプログラミング教育では学習を強制しないように注意しましょう。
子どもたちによっては、「学習を強制された」と感じた途端に興味を失ってしまう可能性があります。お子さんが自主的に学べる環境を尊重し、保護者様からの声かけはアドバイス程度にとどめましょう。
効果的な学習のためには、プログラミングを勉強ではなく、遊びとして捉えられる状態が大切です。
お子さんの本格的なプログラミング学習を視野に入れている場合は、将来的なステップアップを見据えた学習環境を用意しましょう。とはいえ、無理にビジュアルプログラミングを卒業させる必要はありません。
あくまでお子さんのペースを尊重したうえで、少しずつ「できること」を増やしていく取り組みが求められます。たとえば子どもたち向けの学習動画では、テキストプログラミングを用いた簡単な作品制作のフローも解説されています。
動画を一緒に視聴したり、人気のキャラクターが登場する学習書籍を購入したりなど、少しずつ前進する習慣をつけましょう。

今回は、ビジュアルプログラミングの概要や、学習の注意点などをご紹介しました。子どもたち向けのプログラミングスクールのなかでも、特におすすめしたい教室が『プロクラ』です。
プロクラでは、Minecraft社が開発したビジュアルプログラミング環境『MakeCode(メイクコード)』でプログラミングを学びます。
またカリキュラムでは、子どもたちに人気のゲーム『マインクラフト』の世界でプログラミングを学べます。まるでゲームの世界に飛び込んだような感覚でプログラミングに触れられるため、お子さんの興味が長続きしやすい点が魅力です。
「子どものプログラミングスクール選びに迷っている」「将来的にステップアップできる教室を選びたい」と考えている保護者様は、ぜひこの機会に無料体験教室や資料請求からスタートしてみてください。
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