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自由進度学習とは?小学校でのやり方やメリット・デメリット、実例を解説

勉強する子ども

我が子にはのびのび勉強してほしい!

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最近、「自由進度学習」という言葉を聞くことが増えてきましたが、実際にどのような学習方法なのか、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。

自由進度学習とは、先生の説明を聞くだけの一斉授業とは異なり、子どもたち一人ひとりが学習の進め方や順番を考えながら学ぶ方法です。

本記事では、自由進度学習の基本的な考え方をはじめ、メリット・デメリット、小学校での実際の取り組み例まで詳しく解説します。理解を深めることで、お子さんに合った学び方の選択肢を広げていきましょう。

自由進度学習とはどんな学習のこと?

教室

「自由進度学習」とは、一人ひとりの理解度や学習ペースに合わせて進める学習方法です。従来のように、クラス全員が同じスピードで授業を受ける形ではありません。

学ぶ内容や単元は共通でも、取り組む順番や進み方は子どもたちによってさまざまです。プリントやタブレット教材を使い、自分で課題に取り組む場面も多く、先生は必要に応じて個別に声かけやサポートを行います。

近年は小学校でも導入が進んでおり、子どもたちの理解度を大切にした学習スタイルとして注目されています。

自由進度学習が注目されるようになった背景

授業

自由進度学習が注目される背景には、文部科学省が推進する「個別最適な学び」や「協働的な学び」を充実させるためのICT活用の流れがあります。タブレットやデジタル教材の普及により、子どもたちが自分の理解度に応じて学習を進めやすくなりました。

一人ひとりの個性や、違いを大切にする教育への転換が進む近年。学力や得意・不得意の差が広がり、全員が同じペースで学ぶ従来の方法では対応が難しい場面も増えています。こうした課題への対応として、自由進度学習への関心が高まっているのです。

※参考:学習指導要領の趣旨の実現に向けた個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に関する参考資料|文部科学省初等中等教育局教育課程課

自由進度学習のやり方・進め方

教科書

ここからは、自由進度学習とはどのように行われているのかを、詳しく解説します。自由に学習を進められる仕組みの中で、計画づくりや学び方の選択、振り返りを重ねながら、主体的に学ぶ力を育てていきます。

子ども自身が学習計画を立てる

自由進度学習の中核となる考え方の一つが、子どもたち自身が学習計画を立てることです。

はじめに先生が学習の目標や教材の範囲を示し、その中で子どもたちが計画を立て、学習後には振り返りを行います。これは、単に学習のスピードを自由にすることが目的ではありません。

自分の理解度や課題を把握し、「何を・どの順番で・どれくらい学ぶか」を考える力を育てることを重視しています。そのため、計画通りに進まなかった場合でも、その経験自体が学びの一部として捉えられている点が特徴です。

学習の目標を明確にする

自由進度学習では、学習の目標を明確にすることが前提条件となります。好きなように学ぶのではなく、「どこまで理解できればよいのか」という到達点を共有したうえで、学び方や進むペースを子どもたちに考えさせる学習方法です。

目標が明確になることで、子どもたちは自分の理解度や現在地が把握でき、次に何を学ぶべきかを判断しやすくなります。特に小学生の場合、目標を具体的にすると達成感が得やすいため、主体的に学ぼうとする意欲の向上にもつながるでしょう。

個別学習・ペア学習など学習方法を自由に選ばせる

勉強する子どもたち

自由進度学習の進め方の一つに、個別学習やペア学習など、学習方法を子どもたち自身が選べるようにする取り組みがあります。

一斉授業にとらわれず、1人で集中して学ぶ方法や、友達と協力しながら理解を深める方法など、自分に合った学び方を選択できることが特徴です。学習内容や理解度に応じて方法を変えることで、無理なく学習を進めやすくなります。

また、どの方法が自分に合っているかを考える経験は、主体性や協働性を育てることにもつながるでしょう。

先生は必要に応じて支援をする

先生は「教えない存在」ではなく、必要に応じて支援をする「伴走者」としての役割を担います。自由進度学習とは、子どもたちに学びを任せきりにする方法ではありません。一人ひとりの理解度や状況を見ながら、適切なタイミングで関わることが大切です。

つまずいている場合には個別に説明を行い、順調に進んでいるときには次の課題を示すなど、柔軟な支援が行われます。こうした支援によって、子どもたちは安心して自分のペースで学習を進められ、学びの質も高めることが可能です。

振り返りの時間を設け、次の学習に活かす

自由進度学習は、最後に振り返りの時間を設け、学びを次の学習に活かすことが大切なポイントです。振り返りでは、「どこまで理解できたか」「どこでつまずいたか」「計画通りに進んだか」などを整理します。自分の学習状況を客観的に捉えることで課題が明確になり、次に何を重点的に学ぶべきかが見えてきます。

自由に進められる学習だからこそ、振り返りを通して学び方を調整することが欠かせません。

自由進度学習の5つのメリット

勉強する子ども

自由進度学習が注目されるのは、学習意欲が高まりやすいことや、達成感を得やすいことなど、さまざまなメリットが背景にあります。

ここでは、自由進度学習を進めるうえでの主なメリットを5つご紹介します。

学習意欲や主体性が高まりやすい

1つ目のメリットは、学習意欲や主体性が高まりやすい点です。自由進度学習は、学ぶ内容や進め方、ペースを自分で選べるため、学習への納得感が生まれやすくなります。その結果、「やらされる学習」ではなく「自分で決めて学ぶ」という前向きな姿勢が育ちやすくなります。

さらに、学習の振り返りを通して理解度や課題を確認し、次の行動を考える経験を重ねることで、自ら学びを調整する力が身につくというメリットも。こうした積み重ねが、学習を自分ごととして捉える意識を育て、意欲的で主体的な学びを支えていくのです。

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学習への達成感を得やすい

2つ目のメリットは、学習への達成感が得やすいことです。自由進度学習は、自分で立てた目標や計画に沿って学習を進めるため、「ここまでできた」「やり切れた」という実感を持ちやすくなります。

また、理解度に合わせて学習量や内容を調整できるため、無理なく取り組め、成功体験を積み重ねやすいのも特徴です。途中や最後に振り返りの時間を設け、できたことや成長を確認することができれば、達成感はさらに深まるでしょう。

自分のペースで苦手を克服できる

女の子たち

3つ目のメリットは、自分のペースで苦手を克服できることです。全員が同じ速さで進む授業と異なり、自由進度学習は理解が不十分な部分で立ち止まって学び直せるため、「わからないまま進んでしまう」ことを防げます。焦らず着実に理解を積み重ねることで、苦手意識の軽減につながるでしょう。

また、理解できている内容は無理に待つ必要がないため、学習へのストレスが感じにくいという一面も。学び方を自分で選ぶ経験を通して、「どうすれば理解しやすいか」を考える力が育ちます。

自己管理能力や計画力が育つ

4つ目のメリットは、自己管理能力や計画力が育つことです。自由進度学習では、「何を・いつまでに・どのように学ぶか」を自分で考えて進める場面が多くなります。そのため、学習の優先順位を考えたり、時間配分を意識したりする経験を無理なく積み重ねることが可能です。

また、計画通りに進まなかった場合も、振り返りを通して原因を考え、次の計画を調整する力が身につきます。こうした試行錯誤の積み重ねは、学習面だけでなく、日常生活にも活かせる自己管理能力や計画力を自然と育てていくでしょう。

理解度に合わせた学習ができる

5つ目のメリットは、理解度に合わせた学習ができることです。たとえば、理解があいまいな単元は基礎に戻って学び直し、十分に理解できている内容は応用問題に挑戦するなど、自分の理解度に合わせて調整できます。

自由進度学習の特長は、単に学習スピードを調整できることにとどまりません。子どもたち自身が「どこまで理解できているのか」「何がわかっていないのか」を把握しながら学習を組み立てていく点にあります。こうした学びを通して、自分の理解を客観的に捉える力も育っていくでしょう。

自由進度学習の5つのデメリット

タブレット学習する子ども

学習を自由に進められる一方で、自由進度学習にはいくつかのデメリットもあります。進め方によっては、学習の遅れや偏りが生じるといった可能性も否定できません。ここからは、自由進度学習における主なデメリットを5つ解説します。

学習の遅れが生じても気づきにくい場合がある

1つ目のデメリットは、学習の遅れが生じても気づきにくいという点です。自由進度学習は、自分のペースで学べる反面、理解が不十分なまま先に進んだり、つまずいた部分を後回しにしたりしやすくなります。見た目には学習が進んでいるようでも、実際には内容を十分に理解できていないケースも少なくありません。

特に自己管理が苦手な子どもたちほど、遅れが蓄積しやすい傾向があります。そのため、家庭でも学習の様子をこまめに確認し、学校の先生と連携しながら、必要に応じてサポートを行うことが大切です。

子ども同士で進度差が生まれる

2つ目のデメリットは、子どもたち同士で学習進度に差が生まれやすい点です。自由進度学習は、一人ひとりの理解度や学習ペースを尊重できる一方で、理解が早い場合は先へ進み、時間をかけて学びたいときには同じ内容に長く取り組むことになります。その結果、学習内容や達成感に差が生じ、「周囲より遅れているのでは」と不安を感じる子どもたちが出ることも。

こうした課題を防ぐためには、共通の到達目標を設定したり、共同学習や振り返りの時間を取り入れたり、お互いの学びを確認できる機会を設けることが大切です。

自己管理が苦手な児童には負担になる

パソコンを見る子ども

3つ目のデメリットは、自己管理が苦手な子どもたちにとっては負担になりやすいという点です。

自由進度学習は、自分で学習計画を立てたり、進み具合を調整したりする力が求められます。何から取り組めばよいかわからないと、「学習が思うように進まない」「後回しにしてしまって期限に間に合わない」ということもあるでしょう。

こうした場合には、先生から学習計画づくりのサポートを受けたり、テンプレートを活用したりするなど、段階的な支援が効果的です。

先生の準備や負担が大きい

4つ目のデメリットは、授業の準備など、先生の負担が大きい点です。

自由進度学習では、子どもたち一人ひとりの理解度や進度に応じた教材や課題を用意したり、学習状況を個別に把握したりする必要があります。そのため、指導案の作成や教材準備、進捗管理に多くの時間と労力がかかり、先生の負担が大きくなりやすい傾向があります。

先生の負担を少しでも軽減するためには、教材の共有やICTの活用、チームでの指導体制を整えるなど、学校全体で支える仕組みづくりが重要だといえるでしょう。

保護者の理解を得にくい場合がある

5つ目のデメリットは、保護者様の理解が得にくい面があるという点です。

自由進度学習は、学習の進み方や成果が目に見えにくいため、「きちんと学力が身についているか」と不安を感じる保護者様も少なくありません。特に、テストの点数といった指標が減ることで、学習状況を把握しづらくなることがあります。

だからこそ、学習の目的や進め方、評価の方法を、学校と家庭でこまめに共有することが大切です。保護者様が学びの過程を理解できれば、お子さんを安心して見守れるようになるでしょう。

自由進度学習の小学校での実例

先生と生徒

自由進度学習が小学校でどのように実践されているのかについて、ここでは3つの視点から具体的な事例をご紹介します。

自由進度学習とはどういうものなのか、理解を深めるためにも参考にしてみてください。

学習計画表に基づいて、自分のペースで学習を進める

広島県廿日市市立宮園小学校では、算数や国語を中心に、学習計画表を活用した自由進度学習を実践しています。

計画表には、単元のゴールや取り組む課題が段階的に示されており、子どもたちは「今日はどこまで進めるか」「どの課題に取り組むか」を自分で決めて学習を始めます。授業中は教科書で学んだり、問題演習に集中したり、先生から個別に説明を受けたりなど、教室内で見られる学び方はさまざまです。

先生は一人ひとりの進度や理解度を確認しながら声をかけ、必要に応じて支援を行っています。

※参考:全ての子供たちの「主体的な学び」の実現に向けて|広島県教育委員会

単元内自由進度学習として「マイプラン学習」

山形県天童市立天童中部小学校で実施されているのは、単元内自由進度学習「マイプラン学習」です。

具体的には、学びの手引きをもとに一人ひとりが学習計画を立て、自分のペースで学習を進めていきます。発展課題に挑戦することもあれば、理解を深めるために時間をかけることもでき、2教科を同時に進めることで時間配分も柔軟です。

さらに、友達同士の自由な交流による協働的な学びも取り入れられており、各学期に1〜2回、1単元8〜10時間で実施されています。

※参考:天竜市立天竜中部小学校

ICT端末を活用し、個別に動画教材で学ぶ

埼玉県久喜市立久喜小学校では、1人1台のICT端末とクラウド教材を活用し、子どもたちが自分のペースで学ぶ環境を整えています。

算数などの授業では、「eライブラリ」といったデジタル教材を使い、動画で解説を視聴しながら基礎理解を深めたり、演習問題に取り組んだりしているのが特徴です。ICT端末には学習進度が記録されるため、子どもたちはそれをもとに振り返りや計画を立てることが可能です。先生もデータを確認しながら、必要に応じて支援を行うことで、個別最適な学びが日常的に実践されています。

※参考:自由進度学習にeライブラリ ~児童も先生も学びの方向性を見通す~|LINES

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授業

自由進度学習は、子どもたちが自らのペースで学びを進めることで、主体性や深い理解を育める学習方法として注目されています。

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