


GIGAスクール構想とは、文部科学省が2019年に打ち出し、2020年度から本格的に進められている教育改革の一つです。全国の小学校・中学校で、子どもたち1人に1台のタブレットやパソコンを配り、高速インターネット環境を整える取り組みを進めてきました。
GIGAは「Global and Innovation Gateway for All」の頭文字で、「すべての子どもたちに世界につながる革新的な扉を」という意味が込められています。
従来の教育現場では、ICT機器の整備が遅れており、地域によって大きな差がありました。この課題を解決するため、国が予算を投じて端末とネットワークを一体的に整備したのです。

GIGAスクール構想には、大きく分けて3つの目的があります。ここでは、それぞれも目的について詳しく見ていきましょう。
子どもたちの理解度や学習ペースは一人ひとり異なります。GIGAスクール構想では、タブレット端末を使うことで、子どもたちそれぞれに合わせた教材を提供できるようになりました。
算数が得意な子には発展問題を、もう少し時間をかけて学びたい子には基礎からじっくり取り組める内容を用意するなど、きめ細かな対応が可能です。音声読み上げや拡大表示などの機能もあるため、すべての子どもたちが自分に合った方法で学べる環境が整いつつあります。
タブレット端末があれば、授業の可能性が大きく広がります。理科の授業では顕微鏡で見たミクロの世界を全員で共有したり、社会科では地図アプリを使って実際の地形を立体的に観察したりといったことができるようになりました。
動画や音声、画像など、さまざまな教材を組み合わせることで、子どもたちの興味を引き出しながら理解を深められます。教科書だけでは伝えにくかった内容も、デジタル教材なら視覚的にわかりやすく説明可能です。
GIGAスクール構想では、子どもたちが自ら考え、友達と協力しながら学ぶ力を育てることも重視しています。タブレット端末を使えば、自分の考えをまとめて発表したり、クラスメイトの意見をリアルタイムで共有したりすることも容易です。
大勢の前で話すことが苦手でも、端末を通じてなら意見を伝えやすくなるかもしれません。こうした学びを通じて、これからの社会で必要とされる思考力やコミュニケーション能力が育まれていきます。

GIGAスクール構想によって、学校での学び方は大きく変わりました。保護者様の頃とは大きく変わっている部分もあるでしょう。
GIGAスクール構想によって変化した学習環境を認識しておくことで、お子さんの家庭学習もサポートしやすくなります。
タブレット端末には、子ども一人ひとりの学習履歴が記録されます。どの問題を間違えたのか、どこでつまずいているのかをデータで把握できるため、先生は一人ひとりに合わせて指導できます。
AIを活用した学習アプリでは、苦手な分野を自動的に判定し、必要な問題を出してくれるものも。自分のペースで繰り返し学習できるため、理解が深まるまでじっくり取り組めるでしょう。
タブレット端末があれば、子どもたちは知りたいことをその場で調べられます。理科の実験で不思議に思ったことや、社会科で興味を持った歴史など、授業中に湧いた疑問をインターネットですぐに検索できます。
信頼できる情報源の選び方や、複数の資料を比べて考える方法も指導されるため、自ら学ぶ姿勢が着実に育まれるでしょう。
従来は紙で配られていたプリントや課題が、タブレット端末で配信されるようになりました。子どもたちはオンラインで提出できるため課題を紛失する心配がなく、先生方も提出状況や採点の管理がしやすくなっています。
また、デジタルデータとして保存されるため、過去の課題を振り返って復習する際にも便利です。宿題の配布・回収にかかる時間も削減され、ペーパーレス化により環境にも優しい学習スタイルが実現しています。

GIGAスクール構想は多くのメリットがある一方で、いくつかの問題点も指摘されています。
ここでは、環境整備や教育効果など、現場で実際に起きている課題について詳しく解説します。
GIGAスクール構想の問題点として最も多く指摘されるのが、学校側におけるICT活用スキルの差です。若い先生は幼い頃からデジタル機器に慣れ親しんでいる一方で、ベテランの先生のなかには操作に苦手意識を持つ人もいます。
そのため、同じ学校でもクラスによって活用頻度や授業の質に差が生じているのが現状です。文部科学省は研修やICT支援員の配置を進めていますが、まだ十分とは言えません。すべての先生が自信を持って使いこなせる環境づくりが求められています。
GIGAスクール構想では1人1台端末が配られましたが、学校や地域によって通信環境や端末の性能に差があります。インターネット回線が遅く、授業中に動画が止まってしまう学校もあれば、快適に使える学校もあるのが現状です。
また、端末のOSもChrome、Windows、iOSと学校によって異なり、管理が難しくなっています。校内ネットワークの不具合も報告されており、環境の格差が学びの格差につながらないよう、改善が求められています。

タブレット端末は配られたものの、実際の授業で十分に活用できていない学校も少なくありません。地域や学校によって活用状況に大きな差があり、なかには持ち帰りを認めていない学校もあるため、家庭学習での活用が進んでいないのが現状です。
また、調べ物や動画視聴だけに使われ、創造的な学びにつながっていないケースも見られます。端末を日常的に使いこなし、学びの質を高めていくための工夫が求められています。
タブレット端末を使った学習は、自主的に取り組める子どもたちには大きな効果を発揮します。一方で、自分で学習を進めることが苦手だったり、端末の操作に慣れていなかったりすると、十分に活用できない場合があります。
また、家庭のインターネット環境の有無によっても学習機会に差が生まれてしまうのが現状です。デジタル機器の活用によって、子どもたちの間で学力差が広がらないようにきめ細かな支援が必要となっています。
子どもたちがインターネットに触れる機会が増えることで、情報セキュリティやネットモラルへの不安も高まっています。具体的には、個人情報の流出や、不適切なサイトへのアクセス、SNSでのトラブルなど、新たなリスクに直面する可能性が指摘されています。
学校では情報モラル教育を強化していますが、家庭に端末を持ち帰った際の管理が難しいという声も。子どもたちがインターネットを安全に使いこなせるよう、学校と家庭が連携した指導が不可欠です。
タブレット端末を長時間使用することで、子どもたちの健康面への影響が懸念されています。たとえば、画面を見続けることによる視力低下や、前かがみの姿勢が続くことでの姿勢の悪化が心配されています。
また睡眠の質や量への影響、端末を登下校時に持ち運ぶことによる身体的な負担といった指摘もあります。
現状では、タブレット端末が調べ学習や動画視聴といった受け身の使い方にとどまっているケースが多くなっています。プログラミングで作品を作ったり、プレゼンテーション資料を自分でデザインしたりといった、創造的な活用はまだ十分に広がっていません。
単に紙からデジタルへ置き換えるだけでなく、子どもたちの学び方そのものを変えていくことが本来の目的です。家庭でも、発展的な使い方を一緒に試してみると良いでしょう。

GIGAスクール構想にはさまざまな課題がありますが、学校任せにするのではなく、家庭でもできることがあります。ここでは、お子さんの学びをより豊かにするための5つの対策をご紹介します。
GIGAスクール構想は学校教育を大きく変える取り組みですが、学校だけですべてを完結させることは難しいのが現実です。学校側のICTスキルや活用状況には差があり、学校によって取り組み方もさまざま。
だからこそ、保護者様がお子さんの学びをサポートする姿勢が大切になります。学校で学んだことを家庭で深めたり、学校では触れられない分野に挑戦したりすることで、お子さんの可能性をさらに広げられるでしょう。
お子さんが学校でどんなことを学んできたのか、タブレットを見ながら一緒に振り返る時間を作ってみましょう。「今日はどんなことを調べたの?」「こんなことを勉強してるんだね」などと会話することで、お子さんの学びへの興味がさらに深まります。
また、保護者様がお子さんの学習状況を把握できるため、つまずいている部分に気づきやすくなるため、週に一度でも一緒に学習内容を共有する時間を持つと良いでしょう。
タブレットで情報を調べるだけでなく、学んだことを「作品にする」「誰かに伝える」経験を増やしてあげましょう。たとえば、家族旅行の思い出をスライドにまとめたり、好きな恐竜について調べたことを動画で説明したりするのも良いでしょう。自分の考えを形にすることで、知識が定着し、創造力や表現力が育ちます。
最初は簡単な作品で構いません。作る過程そのものが、お子さんにとって大切な学びの機会になります。

タブレット学習には多くのメリットがありますが、紙と鉛筆を使った学習も大切にしたいものです。漢字練習や計算ドリルなど、手を動かして学ぶことで身につく力もあります。
また、長時間の使用による視力低下や姿勢の悪化を防ぐためにも、デジタルとアナログを使い分けることは重要です。読書は紙の本で楽しんだり、図画工作は実際に手を動かして作ったり、学習内容に応じて最適な方法を選ぶことで、バランスの取れた学びが実現するでしょう。
タブレットを使えば、すぐに答えを検索できますが、自分で考える力が育ちにくくなってしまう心配もあります。お子さんが疑問を持ったとき、まずは「どう思う?」「なぜだと思う?」と問いかけ、自分なりに考える時間を作ってあげましょう。
その後で一緒に調べることで、予想と結果を比べる楽しさや、考えを深める喜びを体験できます。答えにたどり着く過程こそが、お子さんの思考力を伸ばす大切な学びになります。

GIGAスクール構想で身につけたデジタルスキルを、さらに伸ばせる習い事があります。特にプログラミング教室やSTEAM教室は、学校で学んだことを発展させ、創造的な学びを深められる場として注目されています。
プログラミング教室では、タブレットやパソコンを使ってゲームやアニメーションを作りながら、論理的思考力や問題解決力を育てます。学校でデジタル機器に慣れている子どもたちであれば、スムーズに学習を始められるでしょう。
自分でプログラムを組んで作品を作る体験は、創造性を大きく伸ばします。AI時代に必要とされるスキルの基礎にもなり、楽しみながら学べるので、お子さんの興味を引き出しやすいのも魅力です。
STEAM教室とは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の5つの分野を横断的に学ぶ教室です。ロボット製作、科学実験、デザインなど、さまざまな活動を通じて学びます。
学校でタブレットを使った「調べる学習」に慣れているお子さんが、次のステップとして「自分で課題を見つけ、解決する」力を伸ばせる場として、GIGAスクール構想と相性が良いでしょう。

GIGAスクール構想には課題もありますが、家庭でのサポートや適切な習い事を組み合わせることで、お子さんの可能性は大きく広がります。特にプログラミング教室は、デジタル機器に慣れ親しんだお子さんが、次のステップとして「作る」「考える」力を伸ばすのに最適です。
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