学習塾では、学力を計測するためのさまざまなテストが展開されています。多くのテストのなかでも、日本屈指の規模を持つのが「全国統一小学生テスト」です。全国統一小学生テストは無料で受験でき、学習の進捗や学力を測るバロメーターとして役立ちます。
今回は、全国統一小学生テストの意味や特徴、全国統一小学生テストの対策ポイントなどをご紹介します。国内最大レベルの受験者数を誇る全国統一小学生テストを活用し、お子さんの学力を把握しましょう。
ここでは、全国統一小学生テストの基本的な意味をご紹介します。全国統一小学生テストは、初回はもちろん連続して受験することで成長を実感しやすいテストです。全国統一小学生テストの概要を理解したうえで、お子さんの学習の進捗を把握していきましょう。
全国統一小学生テストは、株式会社ナガセが運営する学習塾「四谷大塚」が主催する学力テストです。対象は小学生全学年で、無料で受験できます。全国統一小学生テストは日本全国の学習塾で一斉に実施され、学校のテストだけでは知り得なかった弱点などを把握できるのが魅力です。
子どもたちの学力や学習進捗を理解できる全国統一小学生テストですが、学習塾にとっては「塾を知ってもらうためのイベント」としても役立ちます。全国統一小学生テストは2007年度から始まり、現在は全国で2,000カ所以上の会場で実施。累計受験者は、2025年8月現在で410万人を突破しています。
全国統一小学生テストの対象は、全国すべての小学生です。また入学前の年長さんも受験でき、未就学の時点から学習への意識を高めるためにも役立ちます。解答用紙の形式は、年長~小学2年生は記述式、小学3年生以上はマークシート形式です。
四谷大塚の公式ホームページでは、テストごとの成績優秀者を学年別に公開しています。フルネームがエリア付きで掲載されるため、良い成績を残せたお子さんにとっては大きな成功体験につながるでしょう。
全国統一小学生テストの受験科目は学年によって異なります。
出題範囲は時期によってやや異なりますが、基本的に年長さんは「考える力を見る問題」が出題されます。1年生以降は、各学年1~3学期までの「教科書の内容」+「応用力を試す問題」が出題されるのが基本です。どの学期までの学習範囲を採用するのかは、全国統一小学生テストが実施される時期により決定されます。
全国統一小学生テストは、年に2回実施されます。実施時期は6月と11月。6月実施分は「同月第1もしくは第2日曜日」、11月実施分は「同月の国民の祝日」に試験日が設定される傾向にあります。
過去の実施日を振り返ると、第1・2・26回を除くほぼすべての年で、6月・11月ともに1~7日までの間に開催されています(26回目である2020年6月の回には、新型コロナウイルス感染症の影響で3週間ほど延期になりました)。
申し込みの締め切りは実施回ごとに異なり、学習塾の公式ホームページにおける申し込みページに記載されています。また学習塾によっては、締め切り前であったとしても、当日の座席が定員になり次第締め切る場合もあるため注意しましょう。全国統一小学生テストは、オンラインで受験できません。
ここでは、全国統一小学生テストの難易度や内容についてご紹介します。全国統一小学生テストは、国内最大レベルの規模で実施される学力テスト。難易度や傾向を理解して対策することで、全国の小学生と比較した際の立ち位置を把握できるのが魅力です。
全国統一小学生テストの難易度は「やや高め」に設定されています。とはいえ難関中学受験のようなハイレベルなものではなく「標準~やや応用」程度の難易度です。あくまで該当学年の範囲内の問題が出題されるため、現在の学年までの学習がしっかり身に入っていれば解答可能な内容です。
全国統一小学生テストにおける基礎力・応用力の定着の目安としては「偏差値60」をボーダーラインとする考えが多い傾向にあります。偏差値60は、学校での学習内容がほぼ完璧に身につきつつ、思考力を試す応用問題にもチャレンジできている状態です。
前項でも触れましたが、全国統一小学生テストでは受験者の偏差値が計測されます。そのため、私立・中学受験を考えているお子さんにとっては、現状の学力を測るためにピッタリのテストといえるでしょう。
中学受験では、各中学校の偏差値がほぼ確立されている傾向にあります。たとえば桜蔭・開成・灘のような難関中学は、毎年偏差値60以上であることがほとんどです。全国統一小学生テストで計測された偏差値と、志望校の偏差値を見比べることで、今後の学習習慣を改善・維持・変更する目安として活用できます。
全国統一小学生テストは学校のテストと比べて、思考力や記述力が多く求められる傾向にあります。ただ教科書を暗記しているだけでは解答できない問題も多く、好成績を残すためには基礎力の定着や想像力、発想力なども必要です。
たとえば算数で出題される問題は、基礎的な計算問題だけではありません。論理的思考力や解決力が求められる応用問題も多いのが特徴です。お子さんは全国統一小学生テストを通して、従来の学習習慣だけでは不足していた力や視点に気づけます。
ここでは、全国統一小学生テストの結果の見方や、受験後の活用方法についてご紹介します。全国統一小学生テストを含め、学力テストで大切なのは結果ではなく次につなげる姿勢です。最終的な目的を実現するために、結果を踏まえた今後の学習習慣について考えていきましょう。
全国統一小学生テストの結果では、偏差値・順位・分野別得点がわかります。学習の理解度が数値で定量的に計測されるため、思い込みを取り払った「客観的な学力」を認識できるのがメリット。理想と現実の差がわかり、深い自己理解につながります。
全国統一小学生テストでは全国平均や学年平均もわかるため、子どもたちの闘争心や競争心が刺激されます。お子さんによっては「自分のレべルが想像よりも下だった」とショックを受けるかもしれません。しかしテストで正しい立ち位置を知れるからこそ、より効果的な学習環境の導入につながります。
全国統一小学生テストでは、間違えた問題を解き直すことで、学力の補強が期待できます。知識を定着させるためには反すうが大切。全国統一小学生テストは子どもたちの弱点が露呈するからこそ「どの教科や分野を重点的にカバーすればいいのか」を知るきっかけになります。
ここでは、全国統一小学生テストで好成績を残すための対策を5つご紹介します。全国統一小学生テストは、日本屈指の受験者を誇る学力テストです。だからこそ、好成績はお子さんの自信や安心、やる気に直結します。お子さんの状態や特性に合った対策を導入し、効果的な学習につなげていきましょう。
全国統一小学生テストの対策として、過去に出題された問題を解く習慣が挙げられます。全国統一小学生テストの主催元である四谷大塚では、公式サイトで過去問にチャレンジできます。過去問の閲覧には会員登録が必要ですが、費用は発生しません。
『メルカリ』のようなフリマサイトで過去問を販売しているユーザーもいますが、試験問題には著作権が付与されている可能性が高いため、販売はもちろん購入も控えるべきです。四谷大塚が正式に提供している過去問を解答し、問題の傾向を調べておきましょう。
強化ごとの苦手分野を重点的に学習するのも、全国統一小学生テストの対策として有効です。苦手分野を知るためにも、やはり過去問は有効。四谷大塚の公式問題はもちろん、レベルの近い市販の問題集も活用しながら、強みと弱みを分析しましょう。
間違えた問題は「なぜ」を深掘り、思考の流れを確認することが大切です。記述問題であれば文章構成の把握、図形問題であれば実際に手を動かす練習など、対象に応じた学習方法を取り入れましょう。
全国統一小学生テストの対策では、テストの時間を意識して勉強することも大切です。全国統一小学生テストでは、学年ごとに試験時間が明確に定められています。まずは本番を想定した時間で、集中力を維持できるよう練習してみましょう。
たとえば1年生であれば1教科30分、6年生であれば教科ごとに25~50分の試験時間が設けられています。「早く解ければいい」ではなく、時間内に意識を乱さずに学習に取り組む習慣をつけましょう。
全国統一小学生テストでは、単純な計算力や暗記力だけではなく、読解力や思考力なども求められます。たとえば理科・社会では、自然現象や社会の仕組みに関する知識だけではなく、知識をもとにした応用的思考力が必要です。
国語では表現力や文章理解力、算数では論理的思考力など、単純なテストだけでは計測できない力が求められる傾向です。日頃から読解に慣れ、読んだ文章がすぐに頭に入るような状態にしておきましょう。
全国統一小学生テストの主役はお子さん自身。結果は気になるところですが、保護者様はお子さんにプレッシャーをかけすぎないように心がけてください。大切なのは、お子さんが自分の意思でテストに臨む姿勢です。
保護者様からのプレッシャーが大きいと、受験の目的が「親を喜ばせるため」「親に叱られないため」になってしまいます。受験のきっかけを与えつつも、実際の取り組みはお子さんのペースを尊重し、保護者様は必要時のサポートに徹しましょう。
ここでは、全国統一小学生テストに挑戦したいお子さんの特徴をご紹介します。もちろんすべての小学生のお子さんにとって、全国統一小学生テストは自分の力を知る良い機会です。学習の目的や目標をあらためて認識したうえで、受験のモチベーションにつなげましょう。
全国統一小学生テストは、中学受験を検討しているお子さんにおすすめです。中学受験での入試問題は、基礎力だけではなく応用力や総合力が求められます。同じく応用的な思考が必要な全国統一小学生テストは、入試の格好の予行練習になるのです。
また中学受験は、地域や学校の成績だけでは見えない競争の世界。全国という広い世界におけるライバルの学力を知ることで、合格のために足りない部分が明確になります。
学力に自信があるお子さんや、全国のライバルに腕試しをしてみたいお子さんにも、全国統一小学生テストは推奨されます。とくに「普段のテストでは満点ばかり」というお子さんはライバルを見つけにくいため、学習へのモチベーションが下がってしまうこともあるでしょう。
しかし、競う相手が全国レベルとなれば話は変わります。受験者数が多い全国統一小学生テストでは、日本全体で見たときの「本当の実力」が出やすいのが特徴です。勉強が得意な子であるほど、今まで見えなかった手ごわいライバルたちの存在を認識でき、成長意欲につながるでしょう。
全国統一小学生テストでは、教科ごとに順位や得点がわかります。自分の得意分野や不得意分野がわからない状態のお子さんにとっては、自己理解を深めるためのきっかけになるでしょう。
カバーするべき不得意分野がわかるのはもちろん、自分の強みを認識できるのも大きなメリット。「平均より優れているもの」を自覚できる全国統一小学生テストは、お子さんの自己肯定感を養うためにも役立ちます。
全国統一小学生テストは、保護者様がお子さんの成長度合いを知るためにも役立ちます。普段の学校のテストとは異なり、全国の同学年と比べたときの学力が把握できるため、お子さんの学習環境を見直すきっかけにもなるのです。
とくに受験を検討しているご家庭にとって、お子さんの学習環境は大きな課題。「本当に今のままの学習環境でいいの?」と不安を抱いている保護者様は、ぜひ全国統一小学生テストを通してお子さんの状態を把握しておきましょう。
今回は、全国統一小学生テストの意味や目的、全国統一小学生テストの対策方法などをご紹介しました。全国統一小学生テストは、お子さんの学力だけではなく、挑戦心を鍛える絶好の機会です。
挑戦心は、自分らしい人生を歩むために必要な能力の一つ。現状に妥協せず、つねに上を目指す姿勢を持つことで、より豊かな人生の実現に近づきます。全国統一小学生テスト以外でも、家庭学習や習い事を通して挑戦心を養えます。
「プロクラ」は、子どもたちの「挑戦したい気持ち」を引き出すプログラミングスクールです。「子どもには挑戦意欲や向上心を持っていてほしい」と考えている保護者様は、ぜひこの機会に無料体験教室や資料請求からスタートしてみてくださいね。
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