「小学生の子どもからのシンプルな質問に答えられなかった……」という経験がある保護者様は多いのではないでしょうか。義務教育で習っているような内容でも、大人になると忘れてしまうことがありますよね。
とくに理科や化学に関する知識は、使わないままだと曖昧になってしまいがち。夏や秋は台風も多い季節でもあるので、ぜひこの機会に台風に関する知識を覚え直してみませんか?
今回は、小学生のお子さんに「台風って何?どうしてできるの?」と聞かれたときのために、小学生向けの回答をご紹介します。また台風が私たちの生活に与える影響も解説するので、お子さんと防災への意識を高めるためにも参考にしてみてください。
ここでは「台風とは何か」を小学生向けに解説します。「温度差のある空気によって生まれることは何となくわかるけれど、詳しい原理は説明できないかも……」という人も多いのでは。この機会に台風とは何かを勉強し、お子さんの質問にもサラリと答えられる状態を目指しましょう!
台風が生まれる場所は、必ず海の上であることをご存知ですか?そもそも台風とは、暖かい海の上で発生する現象です。日本からはるか南にある「赤道」の付近では、海水温度が高く、水蒸気が多く生まれます。
大量の水蒸気は雲になり、複数の雲がくっつくことでどんどん大きくなっていきます。最終的には、渦巻き状の大きな雲の塊に。これが「台風の赤ちゃん」です。この雲の周りの最大風速が「秒速17m以上」になると、「台風」と呼ばれます。
台風の特徴は、たくさんの雨ととても強い風。台風の定義である「秒速17mの風」は、傘を差しながら真っ直ぐ歩けないほどの強さです。体の小さなお子さんは転倒する場合もあり、街中の看板が剥がれる可能性もあります。
台風の接近にともない断続的に強い雨が降り、海辺では高潮や高波も発生します。海岸付近や低い場所では浸水被害が生まれることも。また台風の右側では、台風の進む方向と風の向きが重なるため、風がさらに強くなる傾向にあります。
台風は中心付近になるほど風が強くなりますが、中央部分の「台風の目」になると雨風は穏やかになります。目の状態によっては、数時間前が嘘のように空が晴れることも。ただしこの気候の凪は一時的なものであり、目の通過後は再び強風や大雨に見舞われます。
台風の目ができる理由は「遠心力」です。台風は反時計回りに渦を巻いて進んでいくため、中心付近では遠心力によって風が吹きこまず、落ち着いた気候が維持されます。台風の目の直径は数km程度から数百kmになることもあり、台風自体の発達や衰退に伴って形やサイズも変化していきます。
台風と混同されやすいハリケーンやサイクロン。ここでは、それぞれの違いを小学生向けに解説します。
ただし日本での「タイフーン」の基準は国際基準とはやや異なります。日本では「最大風速34kt以上の熱帯低気圧」を台風(タイフーン)と呼びますが、国際的なタイフーンの基準は「最大風速64kt以上の熱帯低気圧」です(ktとは「ノット」のこと。低気圧や高気圧の進む速さを示す)。
ここでは、台風が発生する仕組みをさらに詳しくご紹介します。昨今では小学生向けの学習YouTubeチャンネルでも、気候について学べますよね。動画教材も併用しながら、気候や天気の不思議について学んでみましょう。
太陽が照ると海水の表面温度が温められます。すると水の分子が動き始め、一部が空気中へと飛び出します。これが「水蒸気の始まり」です。水を入れたやかんを温めると、湯気が発生しますよね。温められた海は大きなやかんのような状態になり、寒い場所よりも多くの水蒸気が発生します。
海から生まれた水蒸気は、暖かい空気と一緒に空へ登っていきます。しかし高い場所に行くと空気は冷えるため、水蒸気が冷やされて水の粒に変化するのです。これが雲の正体であり、温暖な海の上では雲が増えやすい理由でもあります。
海と空気の温度差により雲が生まれると、空気の流れが強くなります。地球の自転によって空気の流れがクルクルと回り始めた結果、渦が発生。渦は暖かい空気や水蒸気をさらに巻き込み、雲自体もどんどん大きくなっていきます。
渦巻いた雲が集まると、さらに大きな雲が生まれます。巨大な雲は、強い風を伴った「熱帯低気圧」に変化。さらに風速が強まることで、台風と呼ばれるようになります。
ここでは、台風が発生したときの私たちへの影響についてご紹介します。小さな子どもたちにとって、台風は非日常的でワクワクするイベントのように感じられるかもしれません。だからこそ台風の危険性を学び、災害への意識を高めていくことが大切です。
台風が発生すると、川や道路が水でいっぱいになります。一般的な雨であれば、降っている最中に地面にしみ込んだり排水溝に流れたりするため、生活路にあふれ出ることは稀です。しかし台風では短時間に大量の雨が降るため、雨が地面にしみ込まずに流れ出し、川に集まってしまいます。
川が水を流しきれずにあふれ出してしまう状態が、川の「氾濫」です。排水溝も同様に、大量の雨が降ると排水しきれなくなった結果、道路に水があふれ出てしまいます。
台風では雨だけではなく、強い風も事故やケガの原因に。台風の基準とされる風速17mは、真っ直ぐ歩けないほどの強さです。高所での作業は非常に危険であるため禁止するケースが多く、車を運転していても横風に流されるような感覚を抱きます。
風速20mを越えると、何かに掴まらないと立っていられないほどの状態に。看板が落ちたり物が飛んできたりなど、重大な事故につながる可能性もあります。家の中にいる場合でも、外からの飛来物で窓が割れてしまうことがあります。
このような状態では、学校や習い事どころではありませんよね。台風では学校が休みになることがありますが、実は「臨時休校の基準」は法律で定められているわけではありません。基本的には、学校の校長先生が決定権を持っています。
とはいえ多くの学校では、気象庁からの特別警報や暴風警報が出た場合などに、臨時休校になるケースが多いようです。もちろん時間帯や台風の進行状況によっては、警報前に休校が確定する場合もあります。最近では、市町村レベルで休校の基準を統一する動きもあります。
台風が発生すると、電車やバスなどが動かなくなることも珍しくありません。理由は、重大な事故の防止のためです。たとえば電車では強風が原因で脱線したり、バスでは風に煽られて事故を起こしたりするかもしれません。
また線路や道路が冠水すると、そもそも電車やバス自体が通れなくなってしまいます。土砂崩れによって道が塞がれてしまうこともあるでしょう。「外に出たはいいものの、電車やバスが止まって帰れない」という事態を防ぐためにも、早めの休校の判断が求められます。
ここでは、台風が来たときに家庭で気をつけたい注意点をご紹介します。小学生のお子さんは、台風の激しさを実感するために「外に出てみたい!」と言うこともあるでしょう。台風の危険性をよく伝えたうえで、お子さんの安全を守る行動につなげることが大切です。
台風が来たときには、むやみに外に出かけないように伝えてください。台風の風はとても強く、看板やボール、木の枝などさまざまな物が飛んでくる可能性があります。ぶつかり方によっては命の危険もあるのです。
また大雨で道路が浸水すると、水の深さがわかりにくい状態に。とくに小さな子どもたちは水流に足を取られやすく、場所によっては溺れてしまうリスクもあります。公共交通機関の運休や土砂崩れ、川の増水なども、外出を控えるべき理由です。
台風では雨風だけではなく、台風の影響によって生まれる二次災害にも注意が必要です。土砂崩れや川の増水以外にも、停電・段髄・通信のマヒ・感染症など、さまざまな二次災害のリスクが存在しています。
たとえば2018年に岡山県を襲った台風では、雨風が収まった後にレジオネラ肺炎の報告が増加しました。レジオネラ菌が蔓延した原因には、多くの人が汚染された雨水を飲んでしまったことや、レジオネラ菌を含む土埃を吸い込んでしまったことなどが考えられています。
台風が発生・接近したら、天気予報をこまめにチェックするように心がけましょう。台風は毎回同じ動きをするわけではありません。あるとき突然、進むコースや速さなどが変わる場合もあります。
「今日や明日はまだ大丈夫」と思っていると、予想外の速さで台風が進行していることも。最新の天気情報を確認し、とくに注意すべき地域や、今後の雨風の動向などを把握しておきましょう。適切に情報を収集することで、避難の早期判断にもつながります。
今回は、子どもたちの「台風とは何?」という疑問に答えるために、台風の意味や仕組みを小学生向けにご紹介しました。子どもたちの好奇心は、豊かな未来をつくるための貴重な要素。だからこそ「危険なものは危険」と教えたうえで、好奇心の正しい伸ばし方を伝えていきたいですよね。
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