子どもたちが成長していくなかで、知識や技術と同じくらい大切なものが「思考力」です。この思考力は、学力向上はもちろんのこと、将来の仕事や人間関係にまで大きな影響を与える基盤となる力です。
情報が溢れる現代において、ただ知識を覚えるだけではなく、得た情報を活用しながら問題を解決したり、自分の考えを持ったりすることが求められています。そのため、子どもの頃から意欲的に思考力を鍛えておくことが重要です。
そこで今回は、思考力とはどういうものかを明確にしたうえで、子どもたちの思考力を鍛えるメリットやその鍛え方、思考力を鍛えるのにおすすめな習い事までくわしくご紹介します。
「思考力」とは、目の前の情報について筋道を立てて考え、情報をしっかりと理解し、自分なりの結論を導き出す力です。
「思考力とはなにか」と問われたときに、それは単なる「考えること」とは異なります。思考力とは、感情に流されず、論理的に筋道を立てて問題に向き合う力です。情報を理解し、自分の経験や知識と結び付けながら新たな視点を導き出す力ともいえます。
また、相手の立場や意図を読み解きながら、柔軟に対応する力でもあります。つまり、知識を活用する力です。学校教育でも「思考力・判断力・表現力」が重視されており、テストや受験でも単なる暗記ではなく、思考力が試される問題が増えてきています。
これらの社会で生き抜くためには、子どもたちが自らの頭で考え、意志決定できる力を育むことが求められているのです。
一見、似ているように思える「考える力」と「思考力」ですが、実は違いがあります。「考える力」とは広く一般的に「思考すること」を指す抽象的な言葉です。一方で「思考力」とは、論理的・批判的・創造的に物事を捉える力を指す用語であり、より深く多面的な視点を含んでいます。
「考える力」が単なる思い付きや直感に頼るものであるのに対し、思考力は多角的な視点で問題を捉え、答えを導く大切なプロセスです。つまり、思考力とは、考える力をさらに高度化した能力であり、子どもたちの成長において育成が欠かせない力なのです。
思考力とは学習の場面に限らず、日常生活のあらゆる場面で必要です。たとえば勉強では、文章問題や図形問題を解く際に、情報を整理し順序立てて考えることが求められます。読解問題では、書かれていない意図や背景を創造する力も重要です。
さらに、人間関係においても思考力は必要不可欠です。たとえば、友だちとのトラブルや意見が対立したとき「なぜ相手はそう言ったのか」「自分はどのように相手に伝えるべきか」と考え、適切に行動する力が求められます。
また社会全体で見ても、情報の真偽を見極めたり、自分の立場を理解したうえで発言したりする力も、すべては生きる力そのものだといえるでしょう。
思考力は、多方面で役立つ力です。これらを幼少期のうちから鍛えることで、子どもたちは柔軟で論理的に思考できるようになります。ここでは子どもたちの思考力を鍛えることで得られるメリットをくわしくご紹介します。
思考力を持った子どもは、物事を多面的に見ることができます。たとえば、友だちとけんかしたときでも「自分が悪かったのかもしれない」「けんかして相手はどう感じたのだろう」と、さまざまな角度から状況を考えられるようになります。そのため、思考力とは視野を広げる力であるといえるでしょう。
ひとつの考えに固執せずに、さまざまな立場に立って判断できる子どもは、柔軟な発想とともに、人間関係でも良好なコミュニケーションが取れるようになります。これは社会に出てからも大きな武器となる能力です。
思考力は、創造力とも深く関係しています。論理的に考えるだけでなく「もしこうなったらどうなるのか」「他にこんな方法もあるかもしれない」と自由に発想を広げることができるのも、思考力のひとつでしょう。
子ども自身が自由な発想で絵を描いたり、ストーリーを作ったりする背景には、思考力が大きく関わっています。クリエイティブな力を伸ばすためにも、普段から自分で考え、工夫する経験を積ませてあげることが大切です。
思考力がある子どもは、自分の考えを言葉にして相手に伝える力も自然と育ちます。それは、思考力は伝える力の土台でもあるためです。
どんな意図で話しているのか、相手がどう受け取るのかを想像しながら言葉を並べるようになると、コミュニケーションの質が高まります。これは、学校生活や家庭での会話、将来的なプレゼンテーションなどでも役立つ力です。
問題を解決するプロセスにおいても欠かせないのが思考力です。たとえば、宿題が難しいと感じたとき「なにがわからないのか」「どこから手をつければいいのか」と細かく分析して進める姿勢が身につきます。
これは、社会人となって課題に直面した場合でも冷静に考え、解決への道筋を自分で探せるようになります。自信をもって取り組む姿勢を育むうえでも、思考力はとても重要な力だといえるでしょう。
思考力を持つことで、他人に流されず、自分の意見を持ち、それに基づいて行動できるようになります。思考力とは、自立心を育む大切なカギでもあるのです。
たとえば「なにが正しいのか」「自分はどのように行動したいのか」を判断できる子どもは、自信をもってさまざまな選択が可能となります。人生の節目ごとに意志決定を迫られる場面でも、選択する力は非常に重要なものとなるでしょう。
ここからは、子どもたちの思考力とはなにかを理解したうえで、家庭でもすぐに実践できる具体的な鍛え方を5つご紹介します。
読書は、子どもたちの思考力を育てるのに非常に効果的です。物語を読みながら登場人物の気持ちを考えたり、話の展開を予測したりすることは、思考力を刺激します。
また、さまざまなジャンルの本を読むことで語彙力や表現力も育ち、自分の考えを言葉にしやすくなるというメリットも。読書を通じて、子どもたちは新しい価値観に触れながら、自分の世界を広げることができます。
子どもたちの「なぜ?」という質問は、思考力を育てるチャンスです。たとえば「どうして空は青いのか」「なんでこうなるのか」という疑問に、大人が丁寧に向き合ってあげることで、子どもたちは自分なりに考える習慣を身につけます。
思考力は、こうした日常の「問い」を大切にするなかで育まれていき、大人も一緒に考える姿勢を見せることで、より深い学びにもつながります。
パズルやロジック系のゲームも、子どもたちの思考力を伸ばすのにぴったりな方法です。たとえば、ジグソーパズルや将棋など試行錯誤を繰り返しながら答えを見つける遊びは、論理的思考力や集中力を育てます。
そもそも思考力とは、正解をひとつに絞るだけでなく、途中のプロセスを大切にしながら考える力です。そのため、楽しく取り組めるゲームを通じて、自然に楽しく思考力を鍛えることができます。
立てた目標に向かって結果を振り返る流れは、子どもたちの思考力を高めるのに効果的です。たとえば「一週間で3冊の本を読む」と決めたあと「どうやって達成するか」「できた・できなかった理由はなにか」と考えることで、計画性と分析力が養われます。
思考力は、自分の行動を客観的に見つめ次に生かす力でもあります。日々の小さな目標から習慣化することが大切です。
体験や経験は、子どもたちの思考力を大きく育てます。たとえば、遠足やキャンプ、買い物や料理など日常のなかにある「経験」から多くを学ぶことが挙げられます。
「なぜこうなったのか」「次はどうするか」と振り返ることで、子どもたちは自分なりの考えを持つようになります。思考力は、頭のなかで完結する力ではなく、実体験と結びつくことで深まっていくものです。親子で一緒に考える時間を持つことも、非常に有効です。
思考力は異なる角度から、子どもたちの成長を支えています。ここでは、思考力以外にも鍛えておきたい代表的な力を紹介します。
問題解決力は、思考力と密接に関係しています。問題解決力とは、トラブルが生じたとき冷静に状況を分析し、原因を見つけ、対処法を導き出す力です。この力を持つことで、子どもたちは失敗を恐れず、チャレンジ精神をもって行動できるようになります。
幼少期からさまざまな課題に向き合う経験を積むことで、問題解決能力を高めることが期待できるでしょう。
共感力とは、他者の気持ちを理解し寄り添う力です。思考力とは別の視点で人間関係を円滑にする要素ですが、実は深くつながっています。
相手の立場や状況を考えるには、創造力とともに論理的な思考が必要です。共感力のある子どもは、自分の気持ちだけでなく、周囲の人の感情にも敏感となり、思いやりのある対応が可能なのです。
コミュニケーション力とは、自分の考えや気持ちを的確に伝え、相手の話に耳を傾ける力です。思考力とは切り離せない力であり、論理的に考えたことを他人にわかりやすく伝えるには、この力が欠かせません。
文章で表現する力、対話を通じて意志疎通する力は、学校生活はもちろん、社会に出てからも大きな武器になります。家庭や習い事を通して、対話の機会を大切にしましょう。
子どもたちの思考力は、習い事でも養うことができます。ここからは、子どもたちの思考力を育てるのに最適な習い事を3つ紹介します。
プログラミングは、まさに現代の思考力を育てる代表的な習い事です。子どもたちがパソコンを使ってコードを書きながら「どのような手順で動かすか」「どこで間違えてしまったのか」などを試行錯誤することで、論理的思考力が自然と身につきます。
思考力は、物事を順序立てて捉える力。その力がプログラミング学習を通じて育まれるのです。また、完成したときの達成感がやる気を高め、創造力や問題解決能力も同時に伸ばすことができる習い事です。
ロボット教室では、実際にモーターやセンサーを使ってロボットを組み立てたり、動かしたりするなかで、子どもたちは自然と思考力を鍛えることができます。たとえば「どんな動きをさせたいか」「どうすれば実現できるのか」と考える過程が、論理的思考のトレーニングとなります。
思考力は、抽象的な思考だけでなく、実際の物理的な問題にも対応できる力です。好奇心旺盛な子どもたちにとって手を動かしながら学ぶこのスタイルは、とくにおすすめです。
将棋や囲碁も、思考力を高めるのに非常に適した習い事です。対戦相手の手を予測し、自分の戦略を組み立てるプロセスのなかで、論理的・先読み力・集中力が鍛えられます。
将棋や囲碁は、状況判断と選択の連続であり、勝ち負けを超えて考える力を育てる遊びです。また、マナーや礼儀も自然と身につくため、心の成長にもつながります。思考力を育てたい家庭にとって、取り入れやすく奥深い習い事です。
今回は、思考力とはどういうものかを明確にしたうえで、子どもたちの思考力を鍛えるメリットやその鍛え方、思考力を鍛えるのにおすすめの習い事をご紹介しました。思考力を総合的に育てたいと考えるなら「プロクラ」がおすすめ。
プロクラでは、プログラミングを通して創造的な問題解決に取り組むなかで「考える力」「伝える力」「行動する力」をバランスよく養うことができます。思考力は、学ぶ力・自分で動く力・他人と協力する力が合わさった複合的なスキルです。
子どもたちが主体的に学び、楽しみながら成長できる環境が整っている点も大きな魅力です。ぜひこの機会に、無料体験や資料請求からスタートしてみてはいかがでしょうか。
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