お子さんから「お小遣いが欲しい」と言われたとき、何歳からあげるべきか、いくら渡せばいいのか、悩む保護者様は多いことでしょう。傾向としては、小学生になってからお小遣い制度を始める家庭が多くなります。
小学生にお小遣いをあげることは、金銭感覚やお金の管理能力を養い、計画力を身につけられるというメリットがあります。ただし事前準備が不十分であると、無駄遣いやお金への執着といった逆効果をもたらすことも。お小遣いについてルールを決めたり、保護者様がサポートしたり、注意すべきこともきちんと把握しておきましょう。
ここからは、小学生にお小遣いをあげるときに役立つポイントをご紹介します。家族で無理なく続けられるよう、ぜひ参考にしてみてください。
小学生のお小遣いは、1年生からあげる人が多い傾向にあります。友達と一緒に遊ぶ機会が増えたり、学校で使うものや欲しいものが増えたりすると、お小遣いが必要になるでしょう。ただし低学年は管理能力が未熟なため、無駄遣いを心配する保護者様も多く、10歳頃からあげる家庭もあります。
また、実際に何歳からあげるのがベストという答えはありません。金銭感覚を早く身につけさせたいなら低学年。きちんと自分で管理してほしいなら、計算ができるようになる10歳頃など。
子どもたちの成長度合いや性格、家庭環境や方針によってさまざまです。家庭でよく話し合ってから、お小遣い制度を始めるのが大切です。
小学生のお小遣いは一般的に「学年×100円」と言われることもありますが、渡す頻度や家庭によって大きく差があります。お子さんのお小遣いをいくらにしたらいいか迷っている保護者様のために、各学年で平均金額はどのくらいなのかを見ていきましょう。
小学1年生〜小学2年生のお小遣いは平均すると1,000円前後ですが、月500円というパターンが多い傾向にあります。また、低学年の子どもたちにはお小遣いをあげるだけでなく、大人たちが使い方や管理をサポートしてあげましょう。
金銭感覚やお金を管理する力が不十分である低学年のうちは、無駄遣いや課金などのトラブルが起こりかねません。お金に対する考え方を無理なく身につけさせるためにも、何に使うかを家庭でよく話し合いましょう。
小学3年生〜小学4年生のお小遣いの平均金額は、約1,000円強となっていますが、月1,000円というパターンが最も多くみられます。自分で計算しながらお小遣いを使えるようになる頃合いとはいえ、判断力に乏しい場合もあるため、保護者様のサポートが必要です。
自分でお小遣いを管理する練習として適した時期のため、お小遣い帳やお小遣い管理アプリを使い始めるのもいいでしょう。記録をつけることで、使い道や貯金について家族で共有しやすくなることもメリットです。
小学5年生〜小学6年生のお小遣いの平均は、約1,500円です。高学年になればお金の管理能力が育まれるため、保護者様はお子さんのお金の使い方に対して干渉を控え、時には見守ることも必要になります。
お金の大切さは、成功でも失敗でも経験によって自然と理解していくものです。自ら考えてお金を使う経験を積むことも大切です。お小遣いの金額や使い道が適当か、定期的に一緒に振り返るとことで、無駄遣いやトラブル防止につながります。
小学生のお小遣いの金額は、子どもたちのお金に対する理解度や、家庭の経済状況に合わせて決めるのがポイントです。学年ごとの平均金額も目安になるとはいえ、ポイントを押さえたうえで家庭でよく話し合って決めるのが大切です。
成長に応じて管理能力や必要なものが変わるため、子どもたちに合わせてお小遣いの金額を決めましょう。たとえば、身の回りのことは自分でできるか、計算しながら買い物ができるか、買う買わないの判断が正しくできるかなど。
無駄遣いやトラブルを防止しながら、お子さんの不満を募らせないためにも、成長に合わせてお小遣いの金額や渡す頻度を調整する必要があります。
保護者様にとっても無理なくお小遣い制度を続けられるように、家庭の経済状況に合わせて金額を決めましょう。「もっとお小遣いが欲しい」と言われたとしても、お金は限りあるものだと理解してもらうことも重要です。ただし、家庭の経済状況について子どもたちに過度な心配をかけないように気をつけましょう。
大切なのは、限られたお小遣いをどのように使うかを一緒に考えてあげることです。優先順位を学ぶ機会と捉えて、何に使うべきかの判断をサポートしてあげましょう。
お小遣いの金額を決めるときには、使い道やルールを事前に決めておきましょう。たとえば、貯金をする、貸し借りは禁止にするなど。あらかじめ話し合うことで、自然と子どもたちの管理能力が身につきます。
ルールを決める際は、保護者様がルールを押しつけず、お互いが納得できるようによく話し合うことが重要です。お小遣いを管理するお子さん自身の意向を尊重することも必要です。
子どもたちが自分のお小遣いで買い物をする経験は、成功しても失敗しても多くの学びがあります。そのため、小学生にお小遣いをあげることには、さまざまなメリットが期待できます。具体的にどのようなメリットがあるのか、詳しくみていきましょう。
小学生が自分でお小遣いを管理するようになると、お金を計画的に使う力が身につきます。たとえば、ゲームといった高額なものが欲しいなら、少しずつ貯金したりお年玉を使ったり、買うために計画を立てるようになります。
貯金の結果買えた場合には成功体験となって、自信が持てるようになるでしょう。
もらったお小遣いの使い道を自ら考えることで、お金の価値を学べます。無駄遣いをしたとしても「限られたお小遣いなのに失敗してしまった」と実感することで、お金は大切なものだとわかり、判断力や計画性を学ぶ機会になります。
保護者様のサポートも必要ですが、なるべく子どもたちに経験させてあげるのがおすすめです。
お小遣いで買い物をする経験を通して、金銭感覚が養われます。金銭感覚とは、単に高い安いを判断することではありません。限られたお小遣いをどう使うか、何に価値を感じてお金を使うかといったことも大切な要素です。
金銭感覚を養うことでお金の大切さが理解でき、計画性や判断力が身につきます。欲しいからすぐに買うのではなく、必要なものを必要なときに買うという意識が重要になります。
小学生にお小遣いをあげることは、お金の管理能力を向上させる効果があります。何にいくら使ったかを自分で把握することで、計算にも強くなるでしょう。
管理能力が向上すれば、計画的にお小遣いを使えるようになり、無駄遣いも防止できます。管理する際には、お小遣い帳やお小遣い管理アプリを使うこともおすすめです。現状を把握しやすくなり、さらに管理能力が向上するでしょう。
お小遣いは子どもたちが自由にお金を使えるため、自分で買い物をするという経験を増やせます。自分でものを選び、買う決断をして、買ったものに責任を持つという一連の経験には、子どもたちにとって多くの学びがあるでしょう。
買い物によって計算力や計画力が育まれるだけでなく、お店の人とのやりとりを通してコミュニケーション力も養えます。大人たちに買ってもらうのではなく、自分で買うからこそ学べるものがあるでしょう。
お小遣いをあげることには多くのメリットがある反面、デメリットもあります。小学生はお金への理解力が不十分であるからこそ、保護者様のサポートが必要です。大きなトラブルに発展させないためにも、デメリットを事前に把握しておきましょう。
お金の大切さがわかっていないと、無駄遣いしてしまう可能性があります。定期的にお小遣いがもらえるという環境から、「お金は簡単にもらえるもの」という誤った認識をしてしまい、欲しいものをすぐに買ったり、金額の大小の判断ができなくなったりするかもしれません。
無駄遣いを防ぐには、お小遣いをお子さんの年齢に合った金額にすることと、使い道やルールを事前に決めておくことが大切です。お子さんがきちんと管理できるようになるまで、保護者様がサポートしてあげましょう。
お手伝いをしたらお小遣いをあげる「報酬制」の場合は特に、ルールを明確にしておかないと、お金への執着が強くなってしまいます。行動することでお小遣いが発生する環境にあると、「お金がもらえないならやらない」というように、損得が判断基準になってしまうかもしれません。
お金の損得は関係なく、人のために行動する思いやりの心を育むことも大切です。お小遣いがもらえるお手伝いを限定したり、定額制と報酬制をバランスよく組み合わせたりしましょう。
小学生が友達同士で「お小遣いどれくらい?」という話になったときに、自分のお小遣いが少ないとわかると不満を持つ可能性があります。家庭の経済状況や教育方針によって、お小遣いの金額はさまざまです。自分が少ないこともあれば、友達が極端に多い場合もあるでしょう。
お子さんに不満を持たせないためには、お小遣いを決めるときによく話し合い、お互いが納得する金額にすることが大切です。また金額だけを見るのではなく、使い道を一緒に考えてあげることが重要になります。
小学生はお金に対する判断力が未熟なために、金銭トラブルに巻き込まれる恐れがあります。たとえば友達との貸し借りや、ゲームへの多額の課金など……。その場では数百円のやり取りだとしても、積み重なると大きなトラブルに発展してしまいます。
トラブルを防ぐには「友達間でお金のやり取りはしない」「課金はいくらまで」というようなルールを決めましょう。万が一トラブルが発生したときには、すぐに相談するように伝えておくことも大切です。
保護者様にとっては、お子さんがお小遣いを正しく使えるように管理する負担が生じます。お小遣いの使い道を把握しながら無駄遣いやトラブルを気にしたり、計画性やお金の大切さを教えたりする必要があるため、保護者様が負担に感じることもあるでしょう。
少しでも負担を減らすために、お子さんにお小遣い帳を書いてもらうと、管理する手間が軽減します。使い道については、事前によく話し合ってルール化しておけば安心です。そのうえで過干渉を控え、見守る姿勢も大切だと心がけておくといいでしょう。
ここからは、お小遣いの渡し方として「定額制」「報酬制」「都度制」の3つの方法をご紹介します。それぞれにメリットと注意点があるので、家庭でよく話し合い、お子さんに合った方法を見つけてみてください。
「定額制」は、定期的に決まった金額のお小遣いを渡す方法です。たとえば「毎週○円」「毎月○円」など、お小遣いを渡す日と金額を事前に決めておきます。定額制のメリットとして、お金の管理がしやすくなることと、計画が立てやすいことなどが挙げられます。
保護者様の負担を減らしたい場合や、計画的にお金を使うことを学ばせたいと考える保護者様におすすめです。注意点として、足りなくなったときの対応を事前に決めておく必要があります。さらに、保護者様がお小遣いを渡す日をきちんと守るようにしましょう。
「報酬制」は「お手伝いをしたら○円」のように、子どもたちの行動に対してお小遣いを渡す方法です。行動したからこそお金が得られるため、お金の大切さが学べます。何をしたらお小遣いが発生するのか、渡すタイミングはいつにするのか、事前のルール決めが重要になります。
「お小遣いがもらえないならやらない」とならないように、お子さんにはお手伝いを強要したり完璧を求めたりせず、達成感を与えることを意識するといいでしょう。定額制と報酬制を組み合わせるのも、選択肢の一つです。
「都度制」は欲しいものや必要なものがあるときに、その都度お小遣いを渡す方法です。保護者様が使い道を把握できるので、無駄遣いを防げるメリットがあります。ただし、上限金額などのルールを事前に決めておかなければなりません。
お子さんに言われた通りにお小遣いを渡してしまうと、「頼めばお金をくれる」という誤った認識を与えてしまいます。お金の使い道を聞いたうえで、妥当であるかを保護者様が判断するようにしましょう。
お小遣い制度を始めるには、事前によく話し合い、お互いが納得できるルールを作っておくことが重要です。無計画で始めてしまうと、正しい金銭感覚や管理能力を養えない可能性があるため注意しましょう。
お小遣いの使い道は、必要なものと欲しいものをきちんと区別するといいでしょう。区別する際に、お小遣い帳を活用することでお金の管理がしやすくなり、保護者様も使い道を把握できます。また金銭トラブルを防止するためにも、友達との貸し借りは禁止にしましょう。
ただし使い道に関しては、過干渉にならないように注意が必要です。子どもたちは自分でお金を使う経験によって、多くの学びを得ます。お子さんの考えを尊重し、見守ることも大切です。
欲しいものがあるときには、計画的に「貯金」することを教えてあげましょう。お金の管理能力を向上させるためには、限られたお小遣いの使い方を子どもたち自身で考えることが大切です。万が一足りなくなっても追加しないといったルールを作り、お子さんが経験を積めるようにしましょう。
小学生の子どもたちは最初からお金の管理を上手にできるわけではありません。定期的に家族で振り返り、困っていたら相談に乗り、うまく管理できていたら褒めて、お子さんをサポートしてあげましょう。
お手伝いをしたらお小遣いをあげる「報酬制」にする場合は、どのお手伝いでいくらもらえるかを、事前に明確にしておきましょう。たとえば、自室の掃除は自己管理の範囲としてお小遣いは「なし」、リビングの掃除は家族のための行動と判断して「あり」など。お小遣いの有無が、子どもたちでも納得できる理由である必要があります。
目的や理由もなくお小遣いを与えると、「お金をもらえないならやらない」という考えになってしまう可能性があります。
学校で必要なものは保護者様が購入して、お子さんが欲しいものはお小遣いで買うなど、保護者様がサポートする範囲を決めておきましょう。さらに、低学年の子どもたちはお金の管理能力が未熟なため、無駄遣いや金銭トラブルを防ぐためにも、管理自体のサポートも必要になります。
過干渉に注意しながらお子さんの買い物を見守り、一緒に振り返って成功も失敗も共有できると、子どもたちのお金の管理能力はぐっと向上します。
小学生が計画性をもってお小遣いを管理するには、自分でどのように使うかを考える「自主性」が必要です。
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